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安全運転の方法

安全運転の方法

 

 

自分は年間1万キロ弱をバイクと自動車で走るドライバーです。

 

バイク免許を16歳で、自動車免許を18歳で取得して以降約20年間安全運転を継続しています。かつては3年間くらいバイクレースにのめり込んだこともあります。サーキットでスピードを追及する経験をしたのは一般道で安全を追及するためでした。そのために矛盾したこともありますが。サーキット走行を経験している人は皆さん仰いますが、スピードを出して良いのはサーキットだけです。サーキットはバイクで転倒してもセーフティゾーンがあるため大事故にならないように設計されています。セーフティゾーンが時にゼロな一般道はスピードを追及する場所ではなく、安全を追及する場所です。一般道での安全運転には技術や知識が必要です。

 

今後も交通事故を引き起こさない運転を継続するために安全運転の技術やら知識についてまとめました。

 

一番大事なことだけ先に示しますが、それは危険を危険と認識することです。

 

目次

 

1.視点の置き方

2.安全確認

3.心理状態

4.速度のコントロール

5.どういう状況が危険か

 

 

 

 

1.視線の置き方

 

視野を広く取ります。どこまで見るかは”見える一番遠いところ”までです。見える範囲すべてを認識するようにします。見える範囲が狭ければ危険は増すので遠視視力は良い方がいいです。それだけでなく、周辺視野も広くとります。1点を凝視するような見方でなく全体を感じられる視線とします。

 

歩行者、自転車、バイク、自動車など動くものは場所を把握し、その後の動きを予測します。

 

動く物体(歩行者、自転車、バイク、自動車など)を見ながら運転する状況が多いですが、これらを凝視しながら1つ1つ視線移動するときには注意が必要です。視線の移動は眼球の移動によりなされるわけですが、そのスピードは速いので視線が移動している間にある空間は「見えていない」ということが発生します。この文章を読んでいるときの眼球は文字を左から右へ小刻みにジャンプして、視線は文中の文字から文字へ次々と移っていきます。この眼球の動きを「サッカード」といいます。

 

離れた箇所のサッカードの場合、その間は「見えていない」ため認識できないという状況が生まれます。そのため、安全運転のためにはいろいろ把握しないといけないと強く思うあまり周辺をキョロキョロと見てしまうという状態は必ずしも安全でない可能性があります。宮本武蔵の「見の目弱くし観の目強くす」の言葉通り、周辺視野は意識すれば広がります。逆に意識していなかったり、集中力が低下しているときには弱まります。

 

2.安全確認

 

進行方向に空いたスペースには今後何かが入り込む(飛び出してくる)可能性があるので把握しておく必要があります。

 

信号、標識は把握しておく必要がありますが、鉄道員のように指差し確認するくらいで良いと思います。運転中暇ですし。自分は信号、歩行者、自転車は指差し確認しています。これまでヒヤリとしたことがありましたので。信号は赤信号で行ける方向だけ矢印がでるタイプがやっかいです。特に赤信号で左矢印がある信号。左折はいつでもできると思っていることが多いと思いますが、稀に方向指示が出た時だけ左折可能な交差点があります。この時は直進する車がびゅんびゅん走っていても左折したい自分はその場でステイです。

 

安全確認に優先順位をつけることも重要です。自分は、

 

 歩行者、自転車、その他

 

の順です。歩行者、自転車、バイク、自動車などという感じですが、とにかく歩行者と自転車だけは安全をこちらが確保しなければなりません。また、優先順位を意識していないのも問題です。歩行者と自動車を同列で考えるべきではないでしょう。危険度は歩行者の方が高いのですから。また、高齢者や子供は飛び出す可能性が高く、歩行者の中でも要注意すべき存在です。

 

 

 

 

3.心理状態

 

余裕をもつ状態を保つということです。焦りや怒りとは無縁でいなければならない。運転するならば。

 

 

気持ちを一定に保つ必要がありますが、周囲の状況は変化します。1時間くらい運転していれば1回くらい嫌な思いをするかもしれません。嫌な思いをする、とは「自分以外の誰かの悪意に触れたと自分が思ったこと」を指します。例えば、片側道路が工事で規制されていて交通整理の人が対向車がいないのに通してくれない場面とか、煽られたとか。こういう時の心情としては、イライラしてしまうのが普通でしょう。自分は悪くない、というのも自分を納得させるのに十分なのかもしれません。しかしそれに心を囚われるようでは3流以下です。運転するに値しない。そういう場面に出くわしたときには「周囲の現象に意図を持たせない」というのが必要です。自分以外の出来事は自分でコントロールできないので、意図を感じてはいけないのです。意味をつけてはいけないということです。華麗にスルーするのが正しい対処法です。無視、一切考えない。意味をもたせない。そうすれば自分の焦りや怒りには変換されません。意味のないことに腹を立てるのは不合理です。その状態に持っていけばよいのです。

 

 

 

 

心をゼロにしておけばよいです。

 

それから危険感受性を高める必要があります。最初に示した、危険を危険と認識することです。

 

 

危険なことを危険と把握する程度を危険感受性として縦軸に示しています。

危険なことを敢えてしてしまう心持ちを危険緩効性といい横軸に示しています。

 

当然危険感受性を高め、危険緩効性はゼロが望ましいのです。心理状態にはこのような振れがあることは理解しておくべきでしょう。知らなければ図の右下の無意図的危険敢行行動を取ることもあり得ます。悪い意味での「行けるだろう」という行動です。自分が今どれだけ危険に敏感なのか意識するべきです。

 

プロと素人の違いはここにあると思います。絶対に事故を起こしてはいけない状況ではプロは様々なことに危険を感じています。素人はそこに気づくことができません。その差が重要なのです。危険を危険と認識すること。置かれた状況が同じであっても安全に意識が高い人とそうでない人とでは心理状態が異なります。

 

安全は利益は生みませんが損失は生み得ます。安全のプロというと、安全で稼ぐ人という認識かも知れませんが、損失を回避するという意味では安全運転を継続する人は毎月10万円稼いでいるくらいの価値があると言えなくもないです。事故を起こしたら100万円とか飛びますから。人の命にかかわってしまっては、奪ってしまってはそんなもんじゃ足りません。その意味ではドライバーは全員プロなのです。

 

4.速度のコントロール

 

運転し始めて20年。警察に捕まらないことだけを考えたら、制限速度+10キロ程度は許容される可能性が高いとは知っています。しかし、責任ある立場に就くほどに制限速度というルールを破るリスクの方が怖いという認識です。制限速度は守る一択です。

 

速度の出し方なのですが、これは「周囲の安全を確認してから」です。信号待ちの間にスマホを眺め、スタートに遅れてクラクションを鳴らされて急いでスタート、なんて駄目の上に駄目を重ねる行為です。右左折の時もアクセルを踏むのは周囲の安全を確認してからです。歩行者いない、自転車いないのは指差し確認するくらいが望ましいです。

 

また、周囲との相対速度ですが、これは近しいのが望ましいです。速度差があると気づかれない可能性があるためです。道路の流れには乗るのが自分にも周囲にも安全と言えます。高速道路でのノロノロ運転は罰則があります。一般道では罰則はありませんが、のろのろ過ぎるのは安全とは言えません。

 

5.どういう状況が危険か

 

上述の通りです。自分がイライラしている状態のときは危険が増しています。視野が狭くなりますし。

 

速度が高いときは危険です。回避行動がとりにくいからです。

 

以上です。安全運転しましょう。