ダウ理論~相場の原則~
テクニカル分析の基礎となるものにダウ理論というものがあります。
今日のテクニカル分析の基礎なわけですが、不確定な相場において数少ない確たる物言いができる理論だと思います。相場を語る際の共通言語と言っていいと思っております。ダウ理論に6つの基本原則があります。
手書きで示しましたが、上記6つです。一つずつまとめて参ります。
1.価格(平均株価)は全ての事象を織り込む。
株価の変動には現在起きているあらゆる事象が織り込まれているということです。値動きに関わる全ての情報は価格に織り込まれているということです。
効率的市場仮説(Efficient-market hypothesis)とは、現時点の株式市場には利用可能なすべての情報が直ちに織り込まれており、超過リターン(投資家が取るリスクに見合うリターンを超すリターン)を得ることはできず、株価の予測は不可能であるという学説です。この仮説の前提にも1.があります。
2.トレンドは短期、中期、長期の3つに分類される。
短期は3週間以内、中期は3週間から3か月、長期は1年以上を指します。そういうことです。
トレンドの定義をしておきます。下の図を見てください。
図にある通り、上昇トレンドとは高値も安値も同時に釣り上げていく状態のことをいいます。
下降トレンドとは安値も高値も同時に切り下げていく状態のことをいいます。
相場は常に上昇トレンド、トレンドなし、下降トレンドのいずれかの状態にあります。
バイクレースの時にアクセル全開、パーシャル、全力ブレーキのいずれかしかないのと同じですね。相場もレースみたいなものか。
3.主要なトレンドは3つの段階から形成される。
これは図の通りです。上昇トレンドの局面で説明します。
トレンド1.先行期は予測困難な時期ですが、これから上昇トレンドに移行するとしたらまだトレンドがない状態のことです。素人に見抜くことはできません。プロなら分かるのでしょうか。
トレンド2.追随期は上昇トレンドがはっきり表れている状態のことをいいます。ファンダメンタルズも出始めており、ニュースも景気のいいことを言うでしょう。
トレンド3.利食い期にはファンダメンタルズもありふれ、上昇トレンドは消えます。相場はトレンドがない状態となりこの先に下降トレンドが予想されます。買うと損する時期です。
4.価格は相互に確認される必要がある。
1つの情報だけで価格が語られることはないということです。例1,2,3のように複数の情報でトレンドが確認されるということです。逆に言えば複数の情報で上昇なのか下降なのか確認できなければトレンドにないということです。
5.トレンドは出来高でも確認されなければならない。
出来高は投資家の関心を示しています。トレンドとは投資家の方向性(上か下か)であり、その方向性の強さが関心であるならば、チャートの上下と出来高を合わせて投資家のベクトルが見えるわけです。
6.トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する。
これは原則であることを忘れてはなりません。トレンドは明確なシグナルが出るまで継続するのです。
トレンド転換サインは長いヒゲであったり、ローソクの胴体もヒゲも短い場合であったりです。
ダウ理論を使った投資をするとなると、
1.トレンドが切り替わった時にエントリー
2.エントリー後、逆にトレンドが発生したら損切
などの方法が考えられます。
以上です。