入来祐作ピッチングフォーム考

入来祐作の綺麗なピッチングフォーム

巨人、日ハム、メッツ、横浜

どうもこんにちは。きたのたぬきです。

 

野球少年だった自分は今でも野球が好きです。ヤクルトファンですが、いい選手は球団関係なく応援し続けます。選手個人は何球団も渡り歩きますし。

 

入来選手の人間的なすばらしさもファンを引き付ける大きな魅力だし、いろいろまとめておきたいとは思いますが、ここではその華麗なピッチングフォームを詳しく見ていきたいと思います。動画より静止画で美しさを堪能してもらいたいです。


1.まっすぐ立つ

1999年(プロ入り3年目)のフォームです。社会人時代から美しかったけど、この年は選手として活躍した中でも特別美しかったと思います。

 

スポーツ選手もユニフォームを脱げば一般人、というか元々同じ人です。違うのは野球をずっと続けてきたというところ。ピッチングとは繰り返しの動作です。プロになる程の人はそれは星の数程同じ動作を繰り返しているのです。ま、修正を加えながらだから詳しく言えば全く同じ動きは2度とできないのですけど。だから、理想の動きに近づけるように体にしみこませるのです。このセットポジションの立ち方ひとつ取っても、繰り返し繰り返し身体にしみこまされている立ち居振る舞いは美しさという点で芸術の域です。まっすぐ立っていて、それでいて余計な力が入っていない。肩がすっと落ちていて、脱力されているのがわかります。


2.軸足で立つ

入来選手のピッチングフォームの特徴的なところです。左ひざをグラブで抱えられるくらい高く上げています。脚力が足りない人がここまで脚を高く上げると、脚を上げるために力が入り、「余計な力」が入ります。「余計な力」とは、「ピッチングを邪魔する力」ということです。脚力が十分にあり、股関節の柔軟性も十分にある場合、ここまで脚を高く上げても上半身や軸足に余計な力が入りません。

 

「すっと立つ」ことができるのです。200kgを超える大型バイクでも、上手な人は人差し指1本で支えられます。バランスがとれていれば力を入れる必要がないのです。「すっと立つ」ためにはこのバランス感覚も必要です。ふらつくなんてことは論外として、このバランスに優れた軸足1本での立ち姿は美しいの一言です。加えて、右脚の発達したふとももの筋群が頼もしいどっしりさを与えています。

3.テイクバック

テイクバックの基本は今も昔も、「後ろ小さく前大きく」という言葉で表現されます。「後ろ小さく」の部分がテイクバックに当たります。ここで、腕をまっすぐのばすか、のばさないかは人それぞれですが、コントロールの良い投手はまっすぐのばす傾向にあるような気がします。ひとそれぞれ過ぎて、正解はここにはなくて、自分であったようにやればいいと思う。体重が徐々に前に行っているように見えますが、これは右脚で前に蹴りだしているんです。体重移動というか、1歩ダッシュみたいなものです。球の加速は始まっています。

4.肘を肩より上げる

オーバーハンドスローでは上から投げ下ろすわけですが、その「上」を作るための動作がここの身体の後ろで肘を高く上げる場面です。疲れてくるとここまで上がりません。肩関節の柔軟性に乏しいとやはりここまで上がりません。上がったとしても余計な力が入りまくって無理に上げているにすぎません。すすーっと肘が上がってくる、この状態を体現するには非常な努力が隠れているのです。

5.トップ

トップは投げ下ろす直前です。頭の後ろに来るように暇があれば投手は練習します。この状態があることで、バッターが球をまだ目で追えないのです。目で追えてしまうとバッターはバッティング動作を投球動作にシンクロさせて打つ準備が整ってしまいます。打つ準備をさせないこと、これは投げるボールが速いことと同じ価値を持ちます。このフォームは完璧です。

6.加速

ボールの加速は地面に接地している脚先から、膝、股関節、脊柱、鎖骨、肩関節、肘関節、手首、指先とされていきます。脚の加速は終わって、股関節の回転による加速がされている最中ですね。

7.ターゲッティング

手より先に肘が身体の前に来ます。ほぼ肘の方向でコントロールが付いているので、この段階をターゲッティングと呼びます。速球派の投手はターゲッティングのあとの、肘の加速が半端ないです。爆発的という言葉が適切です。このあと。

8.球離れ

球が頭より前、頭より上で離れています。ここでは手首の加速も入ります。投手の手首の強さ、加速はやはり爆発的です。プロネーションっていう肘より先が内旋する動きをすることでも加速しています。これまた理想的。頭は肩を引っ張るように少し左を向きます。これを頚反射といいます。

9.投げた直後

するどく加速された腕は球が手から離れた瞬間から減速運動に入ります。この減速は力を入れてするものではありません。この減速がうまいことできたら投手は肩痛や肘痛にならずみ済むのですが。

10.フォロースルー

146km/hの直球が投げられればなぁとしか思いません。

11.左足伸ばし

10.で曲がっていた左膝が伸びています。躍動感のある投球動作ですが、これは左膝を伸ばすことによる反動が身体の対角線の右肩に来ます。球速を上げるために腕を加速させる回転軸を強く固定する働きがありますが、右肩への負担にもなります。負担の蓄積=肩痛です。投手は常に肩痛と戦わないといけません。もちろん完全に封じ込めたいところです。

12.腕返ってくる

左脇腹まで畳まれた右腕は、その反動により頭より高い位置まで反動で返ってきます。ダルビッシュ選手だと後頭部を触る動きをしますね。いやぁ、しかし、入来祐作のフォームはきれい。

 

この記事は以上です。ではまた。

 

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コメント: 1
  • #1

    NINJA (月曜日, 14 10月 2024 03:47)

    入来に似たフォームにはだれがいるのでしょうか。